照明は写真の命だ。どんなにホワイトバランス調整を行っても、あとから Photoshop で補正しようと思ってもいろんな光の混ざり合った不自然な色味は消すことができない。
撮影時に一つの色味の光源だけを使用することでずいぶん違うが、撮影専用照明はそれなりに高価でアマチュア用途やちっちゃなネットショップでは用意するのも大変だ。そんなとき活躍するのが「フツーの蛍光灯」だ。
フツーの蛍光灯ならオフィスでも自宅でも、あるいはデスクでも使うことができる。それでも効果的に光を当ててやればそれなりの写真がとれる。ポイントは太陽光・蛍光灯・白熱灯・LEDなど複数の色味を同時に照射しないこと。電球色の蛍光灯の部屋で被写体に昼光色のライトを当てて、撮影などしたら、カメラはどの色をホワイトにしてよいやらわかるわけがない。
以下では、蛍光灯の中で撮影照明として使えるものを紹介しておく。
まず、蛍光灯の色味にはふつう 3 種類がある。電球色・昼白色・昼光色 の 3 つだ。順番に色温度が高くなる(青系の寒い色になる)。撮影に適しているのは基本的に昼白色だろう。
また、蛍光灯は自然光と違い、特定の色のみを強く出す蛍光があるのだが、その中でもスペクトルにかたよりがなく、色を評価できるよう美術館などに使用されるものが色評価用蛍光灯あるいは高演色型蛍光灯である。
ただし、色評価用蛍光灯は直管型にしか存在しない(2010年7月現在)
色評価用蛍光灯は N-EDL-NU を選ぶ。N は昼白色(色温度:5000K)、EDL は演色AAA、NU は紫外線カットを表す。用途によっては NU はなくてもよい。
20W の直管型蛍光灯を使う場合は、ベースライトが安価で販売されているので、利用するとよい。ただ、電気工事の知識がないとつらい。
クランプ式のデスクライトも利用できる。現在、直管 20W 型が利用できるのはほとんどなく、山田照明の Z ライトシリーズか、日立の製品しかないようだ。
日立のスタンドライト。
電球型なら3波長型の昼白色がよさそうだ。
撮影用照明としては高演色型があるので直管型のほうが望ましいが、自宅では直管型は無骨すぎて、直接照明としては採用できない場合が多いと思う。
そんなときはスタンドライトやアームライトで電球型を使うしかない。中でも3波長型はたぶんスペクトルが比較的きれいなのだと思う。これを使おう。
実質的には東芝ライテックの製品しかなさそうだ。
ちなみに家庭の全体照明に多い環型蛍光灯でも、3波長型を選ぶほうがよいと思う。 しかし、環型は一般的に動かせないものが多いので、被写体に直接向けることがむずかしい。光量の確保や作業場を照らすぐらいの用途になるだろうか。
ディフューザーを調べたところ、障子紙のディフューズ効果が高いらしい。
大判のトレーシングペーパーは画材屋さんにでもあるのだろうが、めんどうなのでホームセンターで手に入る障子紙にしようかな。
Kenz Yamada(山田研二)。1984年生。大阪。ちょっとずつ好きなプログラム作ってます。
好きなものはカメラと旅行。ガジェットや身の回り、ちょっとこだわります。
詳しくは Web mixi で。