久しぶりにデスクトップ PC を自作する気になったので、予算 5 万円という目標を定めて自作してみた。コンセプトは以下の通り(重視した順番)。
結論から言って今回は下記の構成となった。
マザーボード | GIGABYTE GA-E7AUM-DS2H (MicroATX, LGA775, GeForce 9400) | 12,697 |
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CPU | Pentium Dual-Core E5200 (LGA775, 2.5GHz) | 7,180 |
メモリ | Pulsar DCDDR2-4GB-800 (DDR2 PC2-6400 2GB 2枚組) | 5,230 |
HDD | Sumsung HD103SI (SATA 1TB 5400rpm) | 6,980 |
ケース | 3R SYSTEM Ldorado L-2000 | 9,070 |
電源 | ENERMAX MODU82+ EMD425AWT (425W 80PLUS) | 6,750 |
チップクーラー | AINEX CB-3845BL | 900 |
モニタ | EIZO FlexScan HD2452W | 流用 |
合計 | 49,437 |
※合計額には送料等を含む。
これは省スペース・省電力を重視するということで、当初は Mini-ITX を検討していたが、さすがに拡張性に乏しすぎることと、LGA775 のマザーがほとんどないこと、ケースの選択肢も狭いことなどから断念した。
モニタが HD2452W と厚いモニタであるため、スリムなケースであっても、スタンドの後ろにケースを置くとかなりの奥行きになると考えられた。そのため、「一体型 PC が自作できる」という売り文句の Ldorado L-2000 を検討したところ、HD2452W の標準スタンド(ArcSwing2)の奥行きより少し大きいぐらいで収まることがわかった。
ArcSwing2 のスウィーベル(左右首振り)機能がなくなるのは残念だが、チルトはけっこうできるようなので、妥協することとした(どうせ正対にしか座らないし)。
まずプラットフォームを AMD にするか Intel にするか迷ったが、無難に Intel に逃げてしまった。個人的に Athlon が好きじゃなかったというのが主な理由だが。Phenom II はおもしろそうだったが…。
フォームファクタは MicroATX とした。Ldorado L-2000 には ATX までのマザーがつめるのだが、ケース内部に余裕がほしいことと、将来的に組み替えの際にケースの選択肢を広げるためである。
当初、FOXCONN G45M-S を購入するつもりだった。これは G45+ICH10R で 8.5k円と抜群のコストパフォーマンスを誇り、価格コムでの評判も優れていたのだが、私が購入する直前にドスパラで在庫切れになってしまったので、断念した(って書いてたら今在庫あるし…orz)。
チップセットは MicroATX なのでほぼオンボードビデオのものしかない。選択肢は G31+ICH7, G45+ICH10/10R, nVIDIA 系の 3 つ。G31 でいいかとも思ったがちょっとグラフィックが弱いのとメモリが 4GB までで増設できないので、後者2つに絞った。現状のラインナップでは G45 系のマザーは価格と性能のバランスが微妙だったので、GeForce9400 を搭載した GA-E7AUM-DS2H を選択した。
当初 Q8200 と E8400 あたりで検討していたが、E5200 でも E8400 に近い性能が発揮できることがわかったので、10k円の価格差に負けて決定(笑)
L3 は残念だが、クロックだけなら OC で抜けないこともないだろうと安直な考えで納得してみた。45nm プロセスだし、発熱・省電力性にも問題ない。
これは単純に DDR2 の 4GB で安定していそうなのを選択しただけ。相性さえ悪くなければ細かいことは気にしない。
32bit OS で余った部分は RAMDISK で使います。 (参照: Gavotte Ramdisk 覚え書き)
先日会社で 1.5TB × 4 で RAID5 をくんだら、OSがインストールできないとか言われて、泣く泣く RAID1 に変更した経験を活かし(?)、無難な 1TB にした。500GB プラッタの製品かつ、低回転モデルがよかったので、価格コムで人気の高かった HD103SI を選択した。
いや、しかし 1TB で 7k円とは…。うちの古い PC に入ってる 3 台の HDD の合計より多いんですけど。時代は進むもんだ。
これまた先日会社で 2 サイズ上の EMD625AWT を買ったらとっても静かで心トキめいたので、それの低容量版を購入した。当初は予算の都合上 恵安 静か80PLUS KT-450AJ-80+ (実売 7k円)を買うつもりだったのだが、オークションでこの電源(実売 10k円)が安価で落札できたので、これに決めた。
まぁ、保証書がなかったのだが、電源を修理になんか出したことがないので、気にしない。つぶれたら、つぶれた時考える。
GA-E7AUM-DS2H のノースブリッジはけっこう発熱するらしいので、ついでにファンつきのチップクーラーを購入した。もともとついているヒートシンクのほうが大型なので、どっちがいいのか微妙だと思うが…。
電源は背面から見て右下に組み込む。鉄製の保護パネルがついているので、それをはずしてそのネジで電源を組み込む。いたって簡単。
マザーを組み付けたところ。L-2000 はマザーが倒立配置となる。
まぁだからといって配線がしづらいわけでもなく、MicroATX であることも幸いして非常に快適にくみ上げることができた。
HDD や光学ドライブ用にはゴムつきのマウントネジが用意されており、まずドライブ自体にそのネジを 4 本取り付け、ケースにスライドさせて装着する。固定具は説明書の図を見ないとわかりにくいが、別につけなくてもどうもならない気がする。ゴムは硬質でプラスチックっぽいが、つけてみると振動は吸収してるっぽい。
白が光学ドライブ用で、黒が HDD 用。5 インチ×1 + 3.5インチ×3 が搭載可能だが、全部搭載するとかなり狭そうな感じ。
フロントパネルに USB 端子が 2 ポートずつ左右 2 セット。マイクとヘッドフォン端子がある。USB は各 2 ポートずつのハブになっているので、2 本のコネクタを M/B 上の USB 拡張ピンにさせばよい。
マザーのノースブリッジ用のヒートシンクは裏面のバーで固定されているタイプなので、ヒートシンクを交換する場合は、マザーを取り付ける前にしておく。
配線後。とりあえずはこれで完了。
前面からみた全体構成。モニタがでかいw
ちなみにスピーカーの上にのっているものは左側が I-O DATA の TV チューナー HVT-T100、右側は外付けの HDD。
一応 CrystalMark 2004R3 0.9.126.452 と CrystalDiskMark 2.2 でベンチマークをとっておいたので、掲載しておく。
組み上げて、Windows Vista SP2 をクリーンインストールした状態。
E5200 のノーマルクロックでのクロックは 200MHz × 12.5 で 2.5GHz である。 このスコア、会社でちょっと前まで使っていた E6600 とほぼ同じ…すごい。
GIGABYTE 製マザーボードに付属するオーバークロック用ソフト EasyTune6 でベースクロックを 240MHz まで引き上げたときの状態。240MHz × 12.5 で 3.0GHz。キリがいいので気に入っている。
このスコアは数字的には現行の E8x00 クラスに肉薄するものだと思う。このクロックでも CPU 温度は 49 ℃程度で推移し、DVD の H.264 へのエンコードをかけても落ちることはなく、安定動作していた。
普段はノーマル状態でも十分なので、エンコードの際のみオーバークロックしている。ちょうどクロック差ぐらいの速度アップが図れるので、気分がいい。
Sumsung HD103SI のスコア。5400rpm でこのスコアならまぁ速いほうだと思う。
最近 SSD のスコアを見てたから、ランダムアクセスがすごく悲しい気がするが…。
32bit OS であまったメモリは当然 ramdisk として活用。まぁ、DDR2 なので順当なスコアか。
ramdisk に関しては Gavotte Ramdisk 覚え書き を参照のこと。
ケース背面。エアダクトらしきデザインなのだが、エアフローを考えるとあまり通気はしてなさそう。
デザインは好きなのだが、パネル塗装の中途半端さや、部品の質は価格相応。ただし、ケースを閉めてしまえばわからない。
通常のタワー型ケースだと、開口部が側面なので、中を覗いたりいじったりするときに、わざわざひきだして回転させなければならないのだが、このケースは背面がそのままガバッと開くので、メンテナンス性がよい。もっとも私の場合、PC デスク(こたつw)の後ろに回り込める環境だからなのだが。
左側面。通常のケースだと背面にあたる。拡張スロットが上部、マザーのコネクタが下部にくるので個人的には使いやすい。
左端に見えるバックパネル用のローレットスクリューはプラ製だが、必要十分。ケースやパネルのゆがみもなく、スムースな開閉ができる。
電源や HDD のインジケータランプは赤色 LED 。私は輝度の高すぎる青色 LED が嫌いなので、とても好印象だった。ちょうど使用しているキーボード Majestouch の LED も赤なので、よく合う。
右側面。こちらはファンと通気孔があるだけなので、ごくシンプル。
FlexScan はかなり厚みがあるので、横からみた印象は excellent とはいいがたいが、不自然でもない。
標準のケースファンとして、正面から見て右上側に 12cm の排気ファンがついている。電源は左下なので、左右に排気されることになる。そのため、ケースのすぐ横に物は配置できない。もっとも、私のモニタはケースより横幅がかなり広いので、関係ないのだが。
あとこのケースファンは標準では排気方向につけられているが、エアフローを考えると吸気のほうがよい気がする。
標準のものでも特別うるさくはないが、KAZE-JYUNI 800rpm に交換してみたら更に静かになった。ついでに吸気方向へ変更。なお、標準のものはハードディスクなどの電源の 4PIN コネクタからとるので、マザーへの接続はできない。
オンボードで必要十分な機能。IDE×1 を残し、SATA も 6 本使える。GeForce9400 によるグラフィック性能も高く、満足度の高い製品だと言える。
レガシポート(パラレルとシリアルポート)はマザーボード上にピンが用意されている。せめてブラケットぐらいは付属してほしかったのだが…。まぁいいか。
ファン端子(4pin)が 2 端子(CPU と SYSTEM)しかないので、それ以上のファンを制御・モニタしたければファンコンが別途必要であることに注意したい。
もはや Pentium という名前がふさわしくない(Intel の戦略だろうが)。この CPU は Core 2 Duo と変わらぬ。
低消費電力かつ、適度な OC 耐性で、メインストリームとして十分に活躍できる性能を有すると思う。1 万円高い E8400 などと比較しても、抜群のコストパフォーマンスである。Core 2 の名に執着がなければこちらをオススメする。
バルクならいざ知らず、リテールでも 2GB = 2000円 という時代なんだなぁ…( ̄- ̄ と、あらためて実感した。
速度も申し分なく、相性も問題なかったので、満足。ヒートシンクがついているが、けっこう発熱する。
静音性と速さを兼ね備えたいい製品。回転音自体は触れてみるか、耳を近づけなければわからないほど。性能は少し前の 7200rpm の製品と同程度だと思う。
SSD がほしいところだが、予算の範囲ではこれがベストチョイスだろう。
80PLUS Bronze の高効率に加え、105℃ 国産コンデンサ、プラグインケーブル、といったトレンドな仕様。12V のプラグが 4 ポート用意されているのにケーブルは 3 本しか付属しないというおかしなパッケージだが、今回の構成では必要十分。ファンもごく静か。
Kenz Yamada(山田研二)。1984年生。大阪。ちょっとずつ好きなプログラム作ってます。
好きなものはカメラと旅行。ガジェットや身の回り、ちょっとこだわります。
詳しくは Web mixi で。